【講義紹介】演出プランニング-後編-
※この記事では、パチンコ・パチスロの演出制作業務について知ることができます。
春とか秋って中射幸バランススペックなので基本的に人気高いですよね。
よく問われる2択が夏or冬。
世の中的に夏派が多そうな体感はあるのですが、私は冬の圧勝です。
は?完全に冬だし。
なんで?と聞かれれば、理由は明白でして。
冬って、技術介入性が非常に高いゲーム性なんですよね。
寒いですよ?もちろん。
寒いのですけど、寒さって、プレイヤーが介入して攻略できるじゃないですか。
重ね着しまくれば~と言うのは確かにそうなんですが、そういう単純なゲーム性じゃないところが良いんですよ。
最近は機能性素材が色々ありまして、「いかに少なく、薄く軽く、寒さを防ぎつつ快適に過ごせるか」と言うゲーム性です。
様々な「なんちゃらテック」やらを駆使し、耐風性/耐水性/透湿性/更に重量。
この4パラメータのバランスをいかに突き詰めていくか。
耐風/耐水性を上げると重量が上がっていきがちで、こういうところとか、防御力が高い防具を装備すると行動が遅くなるシステムのゲームとよく似てるじゃないですか。
最終的に、外はめっちゃ寒い中「そんな重装備してる風でもないのに全然寒くない」状況に持っていくのが至高。

結構ゲーム性がしっかりしてるんですよ冬は。
対して日本の夏はね、そう言う気が起きなくなるぐらいの無理ゲーじゃないですか。
もちろん攻略性もあるにはありますよ?
ハンディファンやらネッククーラーやら日傘やら、こちらも同じく吸水速乾的な機能性素材とか。
あるけど、やったとて酷暑で外にいたら汗だくですし、そのまま長時間過ごしたら熱中症になるじゃないですか。
つまり負けてるじゃない?無理ゲーなんすよ。
攻略の余地がないわけじゃないし、攻略すれば軽減はできるんですけど、設定6でフル攻略出玉率99%の機種の設定狙いするモチベーションあります?って言う話なんですよ。
私はないです。
故に夏が嫌いなのです。
まぁ、あとは単純に「夏最高!」とかいう陽キャは大抵生理的に無理な奴が多いってのもある。
と言うことで、私は地獄の夏を乗り越えた先にある秋→冬の流れが、毎年楽しみです。
皆さまよろしくお願いします。プランニング講師バシタカです。
さて、今回は「演出プランニング」講義の後編を一部ご紹介!
前編はこちら
後編は、いよいよスマスロAT機です!
複雑さの次元が違いますから、3週に渡って実施する大ボリュームの講義です。

今回もバシタカが一機種ご用意しております。
コンセプトは・・・・

ふざけてませんよ!
ネタっぽく見えますが、あくまでも生徒たちがイメージしやすいように!です。

説明用にあんな機種やこんな機種の画像をふんだんに使っているためここで載せられるページは少ないのですが、こっちは結構大変でして、去年も今年も2週間くらいかかってしまいました。

この機種をモデルとして、各遊技状態ごとに必要な演出を考えましょう!
と言うのがこの講義の趣旨です。
こちらは前回のノーマルタイプと違って大掛かりなので、グループワークです。
クラスをチーム分けして、チームごとに担当状態を決めて、テーマに沿って演出構成を議論して決めてもらいます。
※前兆/CZのパートはゲーム性のパッケージをいくつか用意してあって、好きなものを選んでもらう形式になっています。
各チームごとの担当状態は、抽せんで決定します!

即席マクロで決定。
何も始まっていない通常時なのか、既に期待が始まった後の前兆やCZなのか、それとも当たり区間であるAT中なのか。

それぞれ特徴が異なるため「盛り上げるために必要な演出の要件」が異なります。
ここまでの講義で学んだことを生かして、チーム内で議論して演出構成を企画してもらいます。
そして、各仕様の抽せん値やら当たりの大きさを想定して演出を考えてもらいたいですから、一般的なメーカー公開情報レベルのものは設計して用意しています。

全部載せると大量なので一部だけご紹介しますが、全13ページ分の情報を提供。
これが2週間かかってる原因ですが、より実践的な演出考案をするために必要な土台をしっかり用意してあげることが、この講義における私の役割ですから頑張ります。
各チーム頭を悩ませながらのグループワークの様子が、こちら。

チーム員をどう役割分担するかも重要ですね。
ここでリーダーシップを発揮する人
頭を抱えちゃう人
指示されたことを黙々と作業したい人
様々です。
どんな子が演出企画に向いているか、生徒自身、自分が演出企画と言う業務を面白いと思えるのかどうかと言う適性を見極める上でも有用です。
ノーマルタイプの演出だろうがスマスロAT機だろうが、演出企画と言う業務に決まった正解はないのですよ。
お客さんを楽しませることがゴールですから、ターゲットとするお客さんのことをよく考えて、そのお客さんに刺さる演出構成を考える。
そして、なぜそれがその層のお客さんに刺さると言えるのか、を人に説明できる。
それさえ出来れば業務として正解。
一人前です。
と言うことで最後は、各チーム議論の結果作り上げた演出構成について、チームごとに発表してもらって修了!
となります。
次回の講義が発表回なのですが、今年もキラリと光る生徒がいたので私も楽しみです!
もちろん、この講義で目立てないと開発者としてダメ!と言うことではありませんよ。
他で得意な何か、好きな何かがあればそれでいいのです。
開発現場には様々な役割がありますから、何かしらの分野で自分の「好き」を見つけてもらえれば。
その「好き」を伸ばして「得意」に昇華させてあげるのは、我々講師の役目です。
ちなみにこの演出企画業務、現役の開発者でも「できてるつもりで実は全然できてない」人は非常に多いです。
何故そんなことになるかと言うと、演出に関しては特に、できてなくてもパッ見はいい感じで形になっちゃうからなんですよねー。
デバイスの進化によって表現の幅が広がり、嬉しい瞬間をより嬉しいものに昇華させ、プレイヤーをより楽しませることができるようになりました。
喜ばしいことであり、これ自体は手放しで歓迎すべきことです。
しかし、どんなテクノロジーも使い手次第です。
稚拙なものでも美麗かつ壮大に出力できてしまうので、粗が目立ちにくくなりました。
テクノロジーが粗を隠してくれると言えば聴こえは良いのですが、言い換えると致命的な欠陥に気づきにくくしてしまっている。
誤解のないように重ねて言いますがこれはテクノロジーが悪いわけではなく、使い手が悪いだけです。
そういう使い方をしてしまっている、と言うだけ。

だって、欠陥に気づきやすくするために使うことだってできますからね。
いずれにせよ本末転倒です。
進化がもたらした副作用の一つと言えるでしょう。
上手く使えばこんなに素晴らしい武器はないのですから、パチスロでの適切な使い方を知りましょう。
どんな業種でもそうだと思いますが、「できていない」だけならそんなにまずくはないのです。
「できる」ようになれば良いだけですし、なれないなら他の「できる」を探せばいい。
まずいのは、「できていないことに気づいていない」状態です。
「できる」ようになろうとしないですからね。
そもそも気づいていないので。
しかも「できていないことに気づいていない」状態の蓄積が長ければ長いほど、気づくことが難しくなっていきます。
何故なら、今までそれでやってこれちゃったから。
悪循環ですねー。
そうならないためには、そうなってしまう前に「知る」ことが重要。
だから私はここにいます。
この市場に蔓延する悪循環を打開するための礎となるべく、「そうなってしまう前」の生徒たちに「知識」と「技能」を教えていきます。
さぁ、教え子たちよ。無双しておいで。

と言うことで!
今回ご紹介したのは演出プランニング実践の一部ですが、実際はここに至るまでにプランニングに役立つ思考法やパチスロの遊技性理論、規則や内規に至るまで、事細かく教えています。
ご興味ある方は体験講座をはじめとしたオープンキャンパスへどうぞ!
次回は、先日開催した第3回G&E杯の様子をお届けしようか、あの機種のレビューにしようか迷い中ですが、ちょうど今余裕があるのでこのタイミングでなるべく記事を書きたいと思っています。
それでは、次回もご期待ください!
■プロフィール
プランニング講師バシタカ
パチスロのエンタメとしての可能性を妄信する元開発者
この業界の将来のためになるか否かが全ての行動指針
パチスロ商品企画職として実務経験13年(うちメーカー11年)
・ディレクターとして企画/指揮したプロジェクト(パチスロ機種)は8機種
・マネジメントを含めて、関わった機種は計22機種
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